霊柩車の運転手に求められるもの
霊柩車事業を運営するために欠かせない人員と言えば、霊柩車を運転するドライバー。
既にお亡くなりになられている方を移送するとは言え、万一の事故が起きてしまってはご遺族に示しがつきません。
もっとも、霊柩車運行中の事故は運送業法上でも罰則がありうるので気を付けてはいただきたいのですが、そういう問題でもないですよね。
そこで霊柩車を運転するドライバーさんについては、技術的な部分は勿論ですが、常に適切な判断ができる方、人間としてワンランク上の方がふさわしいと言われています。
近年多い、あおり運転。
こんなのは論外ですが、ご遺族にとっては最後のお別れの儀式ですから、誠実で人間味あふれる大切な人を乗せているという自覚を持てるような方に就任いただきたいものです。
ここまでは感情論。
法令上、求められる運転手の要件はあるのでしょうか。
霊柩車を運転するために必要な運転免許
霊柩車に「載せる」ご遺体は法令上では「モノ」です。
人は生あるうちは旅客として取り扱われますが、命尽きたその瞬間から「モノ」に変わり、その扱いは貨物となってしまいます。
これ故に霊きゅう車(霊柩車)許可については一般貨物運送事業の許可を受けることになるわけです。
ただ、ここで特徴的なのはモノを運搬するだけなので、二種運転免許を必要としないことです。
二種運転免許は人を乗車させる運送事業において求められる免許の種類ですので、モノを積んでいるだけの霊柩車には適用がされません。
バン型などの小さめのサイズの霊柩車であれば、サイズ的にも変わりませんから運転するにも決して難しいことはないでしょうし、勿論、二種免許は必要ありません。
但し、霊柩車のサイズが大きい場合、良くある例としてはリムジンタイプの宮型車両などでは、車体規格の関係にて普通自動車運転免許では運転ができないものも存在しているようです。
良く車体規格などを確認して運転させるようにしましょうね。
霊柩車の助手席への遺族の同乗・・多くいただく質問
霊柩車の助手席にご遺影を持たれたご遺族が乗っているシーンを見ることはあるかと思います。
ご遺族の方が悲しい顔をされて助手席に乗られている姿を見ると、こっちまでツライ気持ちになってしまいます。
ただ、ご遺族って人でしょ??生きている人でしょ??
ということで、霊きゅう車(霊柩車)許可を受けて葬祭などの全てを請け負われるご予定の葬儀社さんより、多くいただくご質問。
このケースは運転手には二種免許が必要なんじゃないの??ってご質問です。
颯爽と結論を書きますが、この場合において二種免許は不要です。
バスやタクシーなどのように人を乗せることで運賃を収受するわけではないからです。これで安心してドライバーを確保できますね。
そうそう、ただの余談なのですが、色々と教えてくださる葬儀屋さんから教えていただいた情報によると、これって関東地方でしか見ない光景らしいです。(聞いただけの話なので裏付けは取ってません。ゴメンなさい。)
そもそも論として、霊柩車の助手席にご遺族が乗るなんてことはとんでもないことと考えられているようです、関東以外の地域では。
ご遺族が柩よりも前に位置する席に座ってはいけないとかなんとか・・。
まぁ、一言で関東以外と書いてしまいましたが、地域によって葬儀の形態って全然違いますから、様々なパターンがあるのでしょうね。
あの有名なドラゴンクエストでは、柩は後ろに引っ張られてた気がするけど。